球磨川「流域治水」検討で合意 国、県、自治体の協議会初会合

7月の九州豪雨で氾濫した熊本県南部の球磨川の治水対策を検討する国と県、流域12市町村による「球磨川流域治水協議会」の初会合が27日、県庁であり、ダムを含め地域全体で治水に取り組む「流域治水」について検討することで合意した。焦点となっている川辺川ダム建設について「建設されていれば人吉地区での浸水面積を6割減らせた」とする推計を示している国は、次回会合でダムに河川改修などを組み合わせた対策案を示す見通し。 【九州豪雨から3カ月。今も残る壊れた建物】  球磨川の治水を巡っては、蒲島郁夫知事が2008年に川辺川ダムの「白紙撤回」を表明して以降、国と県、流域市町村がダムによらない治水対策を検討してきたが、実現しないまま今回の豪雨で甚大な被害が出た。  豪雨後に蒲島知事は「ダムも選択肢の一つ」との考えを示しており、この日の初会合では「時間的緊迫性を持って治水の方向性を検討していく」と述べた。知事は流域住民からの意見聴取を進めており、11月中にもダム建設の是非を含めた治水方針を判断する。【城島勇人、平川昌範、清水晃平】