防衛省資金、大学応募6分の1以下に 学術会議「禁止」影響か

防衛省が先進的な民生技術の基礎研究に資金を供給する安全保障技術研究推進制度に関し、制度が始まった平成27年度は大学からの応募数が58件だったのに対し、今年度はその6分の1以下の9件だったことが27日、分かった。日本学術会議が29年3月に出した「軍事的安全保障研究に関する声明」が影響したとみられ、大学からの応募数は年々減少している。  岸信夫防衛相は27日の記者会見で「安全保障技術の優位性を維持、向上していくことは国民の命、平和な暮らしを守るために不可欠だ。この制度の積極的な活用を今後も図っていく必要がある」と強調した。  日本学術会議は声明で同制度について「政府による研究への介入が著しく問題が多い」と指摘し、軍事研究の禁止をうたった昭和25年、同42年の2つの声明を「継承する」と強調した。  岸氏は記者会見で「研究は応募者の自由な発想、意思で行う。予算執行の観点から研究の進捗(しんちょく)管理は必要だが、研究内容に介入することはない」と述べた。