東京都、3か月連続で「転出超過」…コロナ影響か

 総務省は27日、9月の住民基本台帳人口移動報告を発表した。東京都は3か月連続で転出者数が転入者数を上回る「転出超過」となった。都市部での新型コロナウイルス感染拡大が影響しているとみられる。  9月の転出者数は前年同月比12・5%増の3万644人、転入者数は同11・7%減の2万7006人で、3638人の転出超過となった。8月の4514人より少なくなった。  同様の調査を始めた2013年以降、初めて東京都が転出超過となったのは、全国に緊急事態宣言が出されていた5月。宣言解除後の6月は転入超過となったが、7~9月は再び転出超過となった。  明治大の小田切徳美教授(地域政策論)は「東京一極集中に変化が起こりつつある。9月に転出超過が緩和したのは、一部の大学などで対面授業が再開され、新入生などが東京に移ってきたからではないか」と指摘する。  東京圏(1都3県)でみると、7、8月は転出超過だったが、9月は転入超過に転じた。名古屋圏は7~9月、大阪圏は8、9月と、いずれも転出超過が続いている。